悩みは「解決」しなくてもいい。それを学んだ本

読書
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皆さまには、どんな悩みがありますか?

私も人間関係やお金のこと、生き方など悩みは尽きません。

ある日、たまたまYoutubeを見ていたら、「私は20年以上悩んでいません」と豪語している人がいました。

その人が今回読んだ「悩まない人の考え方」の著者である木下勝寿さんでした。

「上場企業の社長である方が、悩まないことなんてあるのか?」と思った私は書店に向かい、さっそく読破。

そこに書かれていたことは、合理的かつシンプルな考え方と、実践的な『物事の捉え方』でした。

悩みは、感情的・盲目的になりやすく、一人では解決しにくいです。

本書では悩まない人の考え方が30個提示されています。

それを1日1つインストールすることで、悩まない考え方を身に着けるような構成です。

そのいくつかをご紹介していくので、以下に当てはまる人は是非一度読んでみてください。

悩みが減りますから。

  • 終わらない悩みをずっと考えている
  • 日々の生活にストレスを感じる
  • 他人に対してイライラしてしまう
  • 悩みの解決方法がわからない

【結論】悩まない人の2つの大原則

【原則1】「思い通りにいかない」と「うまくいかない」は違う

筆者曰く、

世の中の悩みや問題の9割は「思い通りにいっていない」だけ

だといいます。

ではこの2つの違いとはなんなのでしょうか?

思い通りにいかない
=予定していたルートではゴールにたどり着けない状態

うまくいかない
=目指すゴールにたどり着けない状態

つまり、当初予定していたルートがダメになっても新しいルートで向かえばいいのに、それをせずに「どうしよう」と悩んでいる人が多い。ということです。

「悩む人」はひとつの手段に固執してしまい、感情的、盲目的になってしまう人。

「悩まない人」は手段には固執せずに、どうやったら目的が達成できるかを考えたり、調べることが当然のようにできる人。

これを登山で例えてみると、、、

登らなきゃいけない山があり、計画していたルートの中盤で大きな落石があり通れなかった。
 ≪悩む人≫落石をどうやったら攻略できるかを固執して考え続ける
 ≪悩まない人≫別のルートを調べて、実行することに頭を働かせる

悩まない人は、問題が起きてもそこで立ち止まらずに、次に打つべき一手を考え、実行するだけだから無駄に悩む必要がないのです。

【原則2】問題は「解決」しなくていい

これを読んだとき私は

「解決をしない、ということは先延ばしにしろってこと??」と思いました。

でも違いました。ポイントは以下の2点です。

①リフレーミングにより、前提を変え、問題を「解消」する

②問題を「具体的な課題」に昇華させる

①リフレーミングにより、前提を変え、問題を「解消」する

これはつまり、問題を「解決」するのではなく、「解消」してしまう、ということです。

リフレーミング(=思考の枠組みの捉え直し)によってそもそもの捉え方を変えれば、今まで問題だったのが問題ではなくなり、問題そのものの見え方が変わるという考え方です。

リフレーミングのためには、目的を明確にすることが大切です。

手段が問題になっている場合、目的自体を見直すと問題を解消できる場合があります。

先ほどの登山の例の場合

目的が山頂に登ることではなくて、森林浴と運動が目的なら?

目的:山頂に登る  問題(手段):落石をどかす

目的:森林浴と適度な運動 手段:低高度の森林エリアを往復しても目的は達成可能

落石をどかす、という問題で悩むのではなくて、そもそもの目的が違えばそれが問題にはなりません。

これは当然のように思えますが、私は社会の「こうあるべき」と自分の本来の目的が違っていることが多々あると感じています。

悩んでしまう人は、本来の自分の目的を見つけることが出来ず、社会の常識を目的だと捉えてしまい、そこに対して「うまくいかない」から悩んでしまうのだと思います。

だからこそ、本来の目的を再認識し、目の前にあることが本当の問題なのかを捉え直すことで、問題が問題でなくなってしまうというのは、大きな学びでした。

②問題を「具体的な課題」に昇華させる

つまり、目的から逆算して別の方法見つけて、やるべきことを実行するだけ。ということです。

悩んでいる状態とは、他の対応策がなく実行していない状態とも言えます。

「悩まない人」は、目的にたどり着くための他の方法を「徹底的に調べ」「次なる一手を探し」「実行する」ということを淡々とやっているだけだと気付きました。

どこかで聞いたことのある「悩む暇があったら、頭と手を動かせ」という言葉が、悩まない人の共通認識なのかもしれませんね。

だからこそ、ただ悩むのではなく、「行動=徹底的に調べる」ことをまず自分に落とし込もうと思います。

悩まない人の世界の捉え方

出典:Pixabay

悩まない大原則をもとに、木下さんの世界の捉え方30のうち気になった3つをご紹介します。

悩みは「自分」から生まれる

悩む人は、自分では変えることができない「出来事」「事実」「他人」などが悩みの原因だと考えてしまい、それを自分では変えることができないから感情的になったり悩んでしまう。

悩まない人は、自分の内部にある「価値観」「感情」「捉え方」をうまく変えることで悩まないを実現している。

これを筆者の体験談を引用し、どのように考えているかというと

映画館に行ったときに、隣に若いカップルが座った。

その男性が持つコーヒーカップが斜めになり、自分のお気に入りのダウンジャケットにかなりの量がこぼれていた。彼は話に夢中で、暗いこともあり気付いていない。

「こぼれてますよ」と伝えたが、少し反応するのみで、謝ることもせず女性と話を続けていた。

私は結末から言うと、映画を見たあと、なにも言わずに映画館を出た。なぜか?

横目で観察すると、20代の若者で、高額のクリーニング代を請求することで楽しいデートから彼は絶望の底に突き落とされるだろう。これぐらいの年齢だと素直に頭を下げられないのではないか?

「失礼な若者に飲み物をこぼされ、おまけに謝罪も補償も得られない」という出来事は変えられない。

ただせっかく楽しい映画を楽しもうとするなかで、この「腹立たしい出来事」を見つめ続けて怒るよりも、受け取るのをやめたほうが手っ取り早い。

その思考プロセスのおかげで、映画を楽しむことができた。

いかがでしょうか?

私も「お金に余裕があるからできる」とか「自分はひとつも悪くないのになぜ」とか「相手のためにも良くない」とか考えました。

でも結果としては、出来事を悩むべきものにさせないことが大切なのです。

自分の外部である「出来事」「事実」「他人」を変えることは難しい。そこに固執すると能動的に悩みをなくすことは出来ません。

であるなら、自分の内部である「感情」「価値観」「解釈」を変えるほうが、自分から悩みを解消することが出来る。

すぐに出来るかはわかりませんが、この考え方は大きな学びです。

「出来ない」は存在しない。「やらない自分」を認める。

よく根性論で言われてきたことかもしれませんが、本当に考えているみたいです。

解説します。

悩まない人の思考はこうです。

  1. 世の中の誰かが出来ていること=自分にもどうにかすれば出来る
  2. 実現している人がどうやって成功したかを徹底的に調べて、方法を見つける
  3. 方法がわかれば、とにかく実行する
  4. 他の問題が発生したらまた調べて、実行する
  5. 成功例があるのだから大半のことは出来る
  6. だから「出来ない」は存在しない
  7. 達成する方法はわかっても「出来るけどやらない」は自分で選択する

私は根性論ではなく、確かに合理的だと思いました。

単純に実現するための方法を調べて、実行するだけなのだから。

ただ基本の考え方が「自分には出来ない」「自分にも出来る」の違いがあるだけで変わってしまう。

悩み人は、情報を取るときに出来ない理由を探している。

悩まない人は、どうやったら目的を達成できるかを見つかるまで徹底的に調べる。なぜなら成功している人がいるのなら「自分にも出来る」と考えているから。

だから筆者は「出来ない自分ではなく、やらない自分を認めなさい」と言っているのです。

「悪い人間」はいない。「悪い関係性」があるだけ。

皆さんは、もし一車線の道であおり運転を受けたらどちらの言動に考え方が近いですか?

①あおり運転をする相手が悪いし、速度を守っているこっちが譲る必要なんてない!だからそのまま走る。

②あおり運転の前にいるだけで危ないし、先に行ってもらったほうがいいから道を譲る。

①と②の大きな違いはなんでしょうか?

これは問題の所在が、「相手にある」と考えるのと、「関係性にある」と考えるかの違いです。

①の考え方は、「交通ルールを破り、犯罪行為をする相手が完全に悪くて、自分は悪くない。」と考えることで、問題の原因は相手にあると考えています。

そのまま相手が変わらない限り、あおり運転が続き、嫌な思いをしたり、なにか事件に巻き込まれるかもしれません。

一方②の考え方は、「このまま前を走るとこの嫌な思いが続くから、早めに路肩に止めて道を譲ろう」と考えることで、後ろのドライバーとの関係性を早々に断つことに重きを置いています。

相手が変わることに期待はせずに、簡単に変えられる自分の感情や行動を変えただけです。

私はどちらかというと①の考え方が強いです。

ルールを破るほうが悪くて、ちゃんと守っている自分が譲るのは負けた気がして納得できない。

このような考え方でしたが、本書の考え方をすると

「確かに問題が起きるかもしれない人との関係性を続けるほうが自分にとってマイナスだな」

と考えられるようになりました。

まとめ

本書を読むと、悩まないというのは、ポジティブでいるべき、とかそういうことではなく

考え方や捉え方ひとつで悩む必要がなくなるのに、なぜ悩むのか?

という合理的な考え方でした。

もちろん自分に染み付いた考え方は簡単に変わるものではありません。

だからこそ、本書で考え方を学び、客観的に自分を見て、行動するしか変化はありません。

本書を読んで自分がこれから悩みに対してやるべきことをまとめました。

  • 自分には出来ないという「自己限定感」をなくす
  • 悩んでいる原因を考える
  • 最終目的を設定・見直す
  • 手段を徹底的に調べていくつかの選択肢を持っておく
  • とにかく実行・行動する
  • 思い通りにいかない場合は、他の選択肢を実行する

悩みが減ることで、自分の人生や本当にやりたいことに向き合うことが出来ると思います。

気になる方はぜひ読んでみてほしいです。

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